top of page
天雲
寄木細工

allergies

​アレルギー科

再生紙

アレルギーは、ギリシャ語で『変化した反応能力』を意味します。元々は寄生虫などを体から排出させるために働いていた免疫作用が、特定の抗原(外来の異物)を排除するために働き、人にとって有害な反応となることをいいます。太古から人間は、蜂に刺されてアレルギー反応を起こすことから始まり、様々なアレルギー反応に悩まされてきました。しかし、漢方も含めて、体質改善をしたとしても、アレルギーを完全に解決することは、なかなか今の医学を持ってしても難しく、アレルゲンを避けるしかない場合も多々あります。しかし、少しずつ糸口は見えてきています。体の過剰な免疫力のベクトルの向き方の調整です。

 注射薬や、減感作療法など、少しずつ、身近に臨床医が向き合える治療法も増えてきました。私自身も重度のスギ花粉症で、小さい頃から春が苦手でしたが、開業してから減感作療法により克服しました。アレルギーの出方は人それぞれ、だからこそ解決法、またその糸口もそれぞれだと思います。その人のライフスタイルにあった解決法・治療法を一緒に考えていきたいと思っています。

アレルギー性鼻炎

近年の大気汚染、黄砂の飛来が花粉に重なり、季節の変わり目に具合の悪い子どもの数は増えているように感じます。アレルギー性鼻炎・花粉症に関しては、現在はさまざまな治療法が試みられています。軽い場合は体質に合わせて、鼻がよく通る漢方薬の内服だけですむこともあります。基本的には、抗ヒスタミン剤の服用で改善することも多いですが、鼻閉感がひどい場合には、皮内注射や経口内服によりアレルギー減感作療法を行う場合もあります。

気管支喘息

重症の気管支喘息はステロイド吸入が治療に取り入れられてから、入院して、全身にステロイドを点滴しなければならないことが減り、結果としてステロイドのこどものからだへの全体の投与量は減ってきたように感じています。

こどもの気管支喘息は、成人になったときに移行しないよう、成長とともにどう薬をやめていくか、続けていくかを相談します。ステロイド吸入を選択する場合も、ずっと同じ薬の量ではなく、副作用の少ないものを選択し、症状によって細やかに調整していきます。また、大事な観点として、「感染症にかかりやすい気道粘膜を作らない」という点があります。予防によって気管支炎・肺炎併発のリスクを減らしていくことが大事です。

アトピー性皮膚炎

『なるべくステロイドを使わない』ということを基本に、軟膏をそれぞれの子どもの皮膚の状態に合わせて処方しています。

また、スキンケア、洗剤、食生活の見直しなど、さまざまな側面から治療を考えます。『ステロイドを使わない』ことにこだわりすぎるのがよくないときもあります。何よりも、こどもがかゆがらず眠れること、皮膚のかゆみによって笑顔が失われていないこと、成長・発達する余裕がないほど、追い詰められていないこと、それが大事だと思っています。

『そういえばもう、ステロイド塗っていないね』そんな風に、成長とともにやめていける治療をこころがけています。

食物アレルギー

なにか食物にアレルギーがある場合、除去してたべさせなければ確かに安全です。しかし、すべての場合において除去することが答えではありません。

最近の研究では、現在までの除去食指導による、栄養や発達への障害からの反省から、『食べて治す』方向にかわりつつあります。

ただし、呼吸が苦しくなり、じんま疹が急激に起こるような食物の摂取に関しては、厳重に除去する必要性があります。悩みすぎず、バランスを大事につきあっていきましょう。

じんましん

じんましんは、あわないものを食べた場合に急に出るものと、体調の悪いときに出るものがあります。原因がはっきりわかるものはいいのですが、なぜ出たのか、最後までわからないことも多いのです。

ただし、どちらの場合にも共通して言えるのは、季節の変わり目や、体調の悪いときなどに起こりやすいということです。対処は水分をしっかりとって、体調をととのえること。そのときの状態に合わせてお薬も考えていきます。

​アナフィラキシー

アナフィラキシーは、皮膚に出るじんましんの症状だけでなく、ゼイゼイ、息苦しさなどの呼吸器症状と、目のむくみ、唇の腫れなどの粘膜症状、腹痛・嘔吐などの消化器症状、そして、血圧低下・意識消失などの循環器症状などが現れることをいいます。アナフィラキシーに至る食べ物・物質に触れる、もしくは摂取することは厳密に避けなければなりません。また、エピペンという主に循環器症状を悪化させないための救命の注射について指導が必要です。学校や園にもしっかりと連携してもらいましょう。

bottom of page