最近「ガウディの伝言」という本を読みました。
読み直したというのが正解ですが、以前親友からもらって読んだことはあったのですが、読む時期がよかったのか、今回は本当に感動してしまいました。
サグラダ・ファミリアという教会をご存知ですか?
まだ未完成の19世紀からずっと作り続けられているスペインの教会です。ガウディはこの教会の2代目の責任者として、この教会の設計と建築に自分の人生を掲げた人です。
彫刻をする責任者として、このサグラダ・ファミリアに入った日本人が著者のこの本は、素朴にガウディの生涯や建造物の魅力を伝える本です。ガウディは、このサグラダ・ファミリアが自分の人生が終わるときには完成しないことを知っていました。そして、それでも毎日、この建築に死ぬ時まで邁進し続けました。
その熱意はどこからきたのでしょうか。
確かに、キリスト教への信者としての深い信念は彼を最後まで支えたことでしょう。
でも何より、自分の生涯で完成しないものを、深い喜びをもって作り続けることができた彼のその生き方に、今はなぜか深く感動を覚えます。 「諸君、今日もよいものを作ろう」と彫刻師や、大工にガウディは死ぬまで言い続けたといいます。
戦争で消失してしまった、ガウディの設計内容を、現代の技術で復活させていきながら、現在では急ピッチで工事が進んでいるといいますが、古い昔ながらの石を削る方法でいつまでも未完成でもいいのに、と思ってしまうのは私だけでしょうか?
芸術におけるすべての回答は、偉大なる自然の中にすべて出ています。 ただ私たちは、その偉大な教科書を、紐解いていくだけなのです。
美しい形は構造的に安定している。構造は自然から学ばなければならない。 創造的であろうとして、意味の無いものを付け加えてはいけない。
自然の原理をよく観察し、それをよりよくしようと努力するだけでいい。
以上はガウディの言葉です。
これは、医療の上でも人体という自然を見ていくものとして心に留めたい言葉です。
感染症でも慢性疾患でも、自然経過に寄り添うということは勇気のいることだと思っています。
ガウディの建造物は、まだバルセロナに行くことができていないので実際に入ったことはないですが、写真を見ると、非常にデザイン性に優れ、個性があるように見えて、心が落ち着き、生理的に安心する建造物のように感じます。
自然の摂理の中に、病理の摂理も学べたらいいと常に思っています。
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