ゼロゼロ、とカタカナで書くと、とても変な感じですが、一歳未満の赤ちゃんの喘鳴はこんな風にやっぱりゼロゼロという表現が一番近いような気がします。
熱がなく、元気で、まるまると太っている、健康そうな赤ちゃんが一週間以上、「ゼロゼロが治らないんです」という症状で受診された場合、お母さんにまずお聞きするのは、「ミルク、または母乳、どれくらい飲んでいますか?」という質問です。
確かに、風邪をひいたことで鼻水や咳が出て、そのせいでゼロゼロすることもありますし、また本当に乳児喘息、という診断となる場合もあります。 でも一週間以上もゼロゼロが治らないときには、ミルクの量を減らす、もしくは母乳のそい乳をやめるだけでなんと喘鳴が治ってしまうことがあるのです。
赤ちゃんの喉はまだ発達段階で、柔らかく、未熟なことも多いので、飲まれた母乳やミルクが食道の方だけではなく呼吸をする喉頭、のどの方まで行ってしまうことがあります。
ミルクの量で200ml以上飲んでいる赤ちゃんに多く、また、母乳がよく出るお母さんで夜に添い乳している場合が多いように感じます。
赤ちゃんは、出生時には30~60mlの胃の容量ですが、6か月までに120~200ml 、6~12か月には200~300mlとなると言われています。それでも胃の容量満杯まで液体が入ってしまうと、ちょっとおなかが張っている、うんちが出ていない、または咳が出る、といったことで吐きやすくもなります。
ミルクの赤ちゃんの場合は、100mlくらいの容量にしてみてもらい、添い乳のお母さんには、眠いけど、頑張って縦抱きにしてみよう、そして、8か月くらいのよく飲む赤ちゃんには離乳食の回数や量を増やしてみよう、と言います。
そうすると、「なおりました!」と報告をいただくことが最近よくありました。 もちろん、本当に気管支炎でゼイゼイしているときでも、哺乳量を調整することは、胃の負担を軽くし、横隔膜がしっかり動いて痰を出すためにもとても大事なことです。
薬いらずで症状がなくなるってとても良いことだと思います。
夜中の添い乳は授乳しているお母さんにとってはすっごく楽で、子供を引き寄せて自分も動かずに眠れるので、私もずっとしていました。でも、誤嚥の原因になることも確かです。ゼロゼロしているときや風邪をひいている時だけは、眠いけど、身体に鞭打って、かわいい子供のために起き上がって授乳しましょうね!
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