透明水彩ステイン

黄耆建中湯(オウギゲンチュウトウ)


ある日、診察室に血色のよいふっくらとした女の子がにこにこして入ってきました。知らない子かな、と思ったら、ひと月ぶりにアトピー性皮膚炎でずっと見ていた5歳の女の子でした。 半年前に初めて診察したときには、痩せて肌が真っ赤で、普通の肌がほとんどなく、また、診察室では緊張しているせいか笑顔はありませんでした。

ステロイドを塗ると、逆に痛がってしまうとのこと。軟膏はなんとか工夫して、ステロイドも合うものを探し、併用してもらいました。漢方は本来は肌の熱感をまずとる処方をしたのですが、それは飲めないとの事。時間はかかると思いますが、黄耆建中湯で体力を補いましょう、とお話しし、処方しました。


 飲み始めて数か月で、肌も熱感は取れていき、なによりよく笑い活発になったそうです。 お母さんは毎日見ているので元気になったなあと思います、とのことですが、幼稚園の先生方が笑顔が増え、楽しそうにおしゃべりしたり遊ぶ姿を涙を流して喜んでくださったとお話ししてくださいました。 黄耆建中湯は、脾胃を立て直す、という小建中湯の処方に、黄耆を足した処方です。この黄耆の、肺や皮膚を守る作用に、いつもしみじみと感動します。


 気管支喘息の子や、浸出性中耳炎を繰り返す子、保育園のファーストシーズンで、かぜをひきすぎて疲れ切った子、そんな子供たちの頬に紅がさし、ふっくらとし、元気になっていく姿は本当にいいものです。