頭痛の患者さんが診察室に入ってきました。『雨が降るとか台風の前とか、そんな時に痛くなるんです。』といわれ、低気圧と関係しているかのような頭痛のようでしたが、血圧を測ると180mmHg/110mmHgと、高血圧を認めました。女性の場合、更年期にさしかかると、エストロゲン欠乏により高血圧となることもあり、見逃さないように注意が必要です。
この方も、数年来の頭痛が、血圧のコントロールののちになくなったそうです。自分でも高血圧だなんて思っても見なかったそうなので、思い込みをなくして患者さんをみることの大事さを思い知った出来事でした。
『頭痛と高血圧は関連性がない』といった論文も見かけますが、臨床的にはこのような患者さんも多いため、教科書だけを信じるのはよくないように思います。
高血圧は、サイレントキラーとも呼ばれ、自覚症状の少なさで長年気が付かないこともありうる何気に怖い病気だと思います。心臓と脳、人間にとって最重要臓器を守るために、血圧のコントロールは重要だと感じています。
多忙で血圧を測ることもままならない世代ほど、脳出血や脳梗塞のリスクも高いように感じますので、機会があったら血圧を測るようにしましょうね。